稼ぐための読解ちゃんと出来てる??それ、伝わってる??

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読解。

台本を読むうえで欠かせない作業。

だけど日常の生活ではあまり意識して「読解」をすることはないよね?

文章と言うものは書き手の意思が現れます。

それをくみ取ることを読解といいますが、ただ自分がくみ取るだけでは商売にならないのが「声で稼ぐ」ということ。

では、稼げるための読解が出来ているのか?

そもそも読解ってなんだ?

国語の授業みたいなのは嫌だな。。。

大丈夫。

日常にありがちな簡単な会話から「読解」のコツを探ります。

ちょっとした読解のコツで見違えるほど自分の表現が相手に伝わる。

そんな実感を得てもらえれば嬉しいな。

難しく考えよう

自分の認識を疑え!

みんな自分たちの日本語、正しいと思ってる?

言葉って生まれたときから喋れるわけではなく、人から教わって喋れるようになるよね。

教わっては正しくないかも。

人の真似をして、喋れるようになる。

そう。

つまり、言語を学ぶとはモノマネから始まるんだ。

それをある時期が来ると体系的にまとめられた理論をもって学習する。

それが国語の授業だね。

つまらないのはあたりまえwww

そもそも、日常の会話の中で「体系的にまとめられた理論」を意識して話なんかしないよね。

みんな「なんとなく」会話をしているんじゃないかな。

こんな風に言われたらこう返す。

こんなことを伝えたいからこんな言葉を選ぶ。

結論は「A」だから「B」をもって「C」ではなく、ゆえに「C」ではない「A」である。

なんて思考で会話をする人っていないと思う(稀にいるかもw)。

会話をするのに論理思考とか関係なく、「ノリ」とか「勢い」とか「流行」とか。

そんな直感的な要素で言葉をチョイスして、自分の意思を伝えている。

ところが。

「演技」となると話がちょっと変わってくる。

ここでは演劇論的な話ではなく、台本などの「文章」を意思を持った「表現」に変えていく「読解」をすこし掘り下げて考えたいと思う。

ただの1行「おはよう」だけに込められた意思。

それをくみ取ることが「読解」。

そしてそれを表現するのが「お芝居」。

そんな理解でここからを呼んでもらえると有難いです。

では「おはよう」に込められた意思。

どうやってくみ取るのか。

当たり前は当たり前じゃない

朝から照り付ける太陽が眩しい。駅から学校に向かう登校の日常風景。前方に歩いている幼馴染に声をかける。

「おはよう」

このとき「おはよう」と声をかける心情はどんなものなのか。

キミならどう感じる?

そう、情報が少ないよね。

声をかける相手が女性なのか男性なのか、そもそも「自分」は女性なのか男性なのか。

登校の日常というだけで幼馴染が学生とも「自分」が学生とも表記はされていない。

そう。

この文章だけでは「何も」わからない。

じゃあ、設定を見てみよう。

主人公:17歳の男子高校生。おとなしくクラスでは地味な陰キャ。

幼馴染:25歳の女性高校教師。美人で派手外見の学校のアイドル的存在。

さあ。

主人公の「おはよう」の心情はどうかな?

色々な想像や妄想を働かせてみよう。

さらに設定を読み込んでみると。

世界観:突如異世界に飛ばされた17歳の魔法戦士が高校生となり学園にはびこる魔物と戦う物語。幼馴染としてともに戦う魔女と学園の平和を取り戻していく。

すいませんベタな設定で。

「おはよう」と声をかける主人公の心情、どんなふうに解釈したかな。

ちょっとややこしく書きましたが、シナリオには世界観やらキャラクターやらその他にもいろいろな細かい設定が盛り込まれています。

ゲーム台本なんかでは冒頭に箇条書きで設定が細かく羅列されていることが多いけど、アニメや物語の台本ではそんなに細かくは表記されてはいないかな。

物語を読み進めることで得られる情報もいっぱいある。

極端な話だけど、上記のような物語も冒頭で説明されることなく物語の中盤で世界観が判明することもある(まあアニメはだいたいそうだよねww)

これが台本にしっかりと表記されていればいいんだけど、たまにないときもある。

そんな時は台本を読み込んでいないととんでもないことになる。

まあ、そんなことはめったにないけど。

こんなことは読解とも言えないほど、基本的な物語のとらえ方です。

でもこんな基本的な読解こそが全てでもあったりする。

上手な切り取りかた

「おはよう」と声をかける主人公は、来るべき決戦に備え最後の姿になるかもしれない「魔女」に対して万感の思いを感じていた。

みたいな解釈が出来るとしたら、キミの「おはよう」はどんな感じになるかな?

ここでもあいまいな情報が提示されている。

「最後の姿になるかもしれない」とはどんな状況を想像してのことなのか?

「魔女」に対する万感の思いとは?

こうなってくると物語のすべてが明らかになっていないと、その心情を汲むのは無理だよねww

ところがこれが物語の冒頭のシーンで、これから回想の中でストーリーが進行していく。

なんて展開もよくあるよねww

んで、ネタバレになっちゃうから監督から「日常の芝居にしてね」なんて言われたりしてさ。

でも25歳の女性教師が幼馴染でしかも同じ学校なんて日常、想像つく?

ホント、大変。

でも物語の世界ってこういうものだよね。

面白そうだから引き込まれるし、そういう演出にもする。

そして、それらを踏まえて声優は芝居を組み立てる。

舞台の稽古みたいにじっくりと演出の方針について打ち合わせたり、リハーサルを重ねる時間があればいいけど、アフレコの現場では通常そんな時間は取れない。

大体が、台本とその世界観で情報をくみ取り演技の方向を「声優」が作っていく。

それを収録現場のリハーサルで示し、演出側(監督や企画制作)と解釈のすり合わせを行う。

そうやって現場では作品が作られていく。

物語を読解する能力がどれだけ大切なのかは、言うまでもない。

これが作品の良し悪しを声優が決めてしまうと言わる所以でもある。

会話

省かれた情報

普段友達と会話をするときは、かなりの情報を省いて会話をするよね。

例えば、「おはよう。今日は朝から凄く暑くて大変だよね」という内容の会話を「よ、今日ヤバくね?」で伝わってしまうこともある。

これは、その友達と会った時の表情と暑そうなしぐさ、そんな会話以外の情報がそれを補っているからだよね。

ところが台本上「よ、今日ヤバくね?」としか書かれておらず、画面に目をやっても線画の下書きだけでどんな表情かましてしぐさなんて、まったくわからない。

としたら、どうだろう。

もう「ヤバい」が何についてやばいのかまったくわからないよね。

「???」と思いながら台本を読み進めていると、「ダメだ!耐えられない!あの店で涼んでいこうぜ!!」という台詞が出てきた。

おや?この人は暑かったのかな?そのことを「ヤバい」と言ってたのかな?

と推測できたりする。

こんな風に、会話で物語が進行していくときはその前後の台詞で状況が把握できたりする。

もちろん物語って言うのは基本、時系列に沿って進行するので、後から得た情報で先に出てきた台詞の心情が理解できることもザラ。

いちいちその時の状況を台詞に乗せるのを「説明台詞」といって、キャラクターの個性が死んでしまう一因でもあったりする。

だから、台詞と言うのは極力「会話」でなくてはならない。

ところが通常会話にはあまり状況とか空間とかを説明する要素は含まれない。

それを補うのが「ビジュアル」つまり、画像なんだけど、アフレコの段階で明確にビジュアルが判明していることって、あまりないww

だから。

声優の読解とは、文章を読み取ることではなく、その作品の物語の世界を読み取ることに他ならない。

そして、それぞれの会話やト書きから詳細な情報を得て、そのキャラクターに生き生きとした魂を吹き込まなければならない。

そこまでが、読解。

普通、台本にはこのキャラクターはこんな人物だからこんな風に演じてくださいなんて書かれてない。

書いてあったら、むしろ声優に失礼www

だから、声優は台本を読み「読解」することでそのキャラクターの本質を知り演じ育て、伝える。

読解とは、物語の内容を理解することでも、作者の意向を知ることでもない。

その作品に命をあたえること。

それが、声優がなすべき「読解」

行間

よく「行間を読め!」なんて昭和の人たちは言う。

「空気を読め!」に近いかもしれない。

つまり、会話の中で相手が実際に喋っていない内容から、その会話の奥にある何かを読み取れって話。

意識するとそんな面倒くさいコトやってられっかいな!って話だけど、じつはみんな結構やってる。

わかりやすいところでは。

Aさん「おはよう!」

Bさん「…おはよう」

Aさん「なに?元気ないじゃん」

Bさん「ううん、そんなことないよ…そんなこと」

Aさん「…そう?」

Aさん「あ!今日朝一で小テストじゃん!やば!いそご!」

Bさん「そうだね…うん!いそごう!!」

はい。

この会話の行間を読みましょう。

今回はわかりやすく「…」を入れてみました。

というか、台本の台詞だったり小説の会話文の中にもよく使われる「…」

台詞にしない(言葉にしない)心情を表しています。

Bさんの「…おはよう」。

Aさんに声をかけられAさんであるとわかってからの「…」

ここにどんな意味があるのか。

続いて、「ううん、そんなことないよ…そんなこと」

2回目の「そんなこと」の前に置かれた「…」

本当は何をいいたかったのか。

そしてそれを察したAさんの「…そう?」

そいて会話を切るように切り替えての「あ!今日朝一で小テストじゃん!やば!いそご!」

それを受けてBさんの「そうだね…うん!いそごう!!」

はい、この二人にいったい何があったのでしょうか?

行間を読者に読ませるためにあえて具体的な情報はいっさい書かれていません。

もしかしたら本編の中でも一切触れられない可能性だってあります。

でも、二人の関係性を探るには十分なシーンになります。

沈黙を喋ろう

沈黙を喋るとは道理に反しています。

もちろん言葉でしゃべるのではありません。

「間」で喋ります。

漫才やコントなど、お笑いの世界では「間」が命であるということはプロのみならず我々一般ピーの界隈でも当然の摂理ですね。

べらべらひたすら自分話をしている奴は、どんなに話の内容がおもしろくても「笑い」にはならない。

話の内容はおもしろいはずなのに、やたらとつっかえたり言い間違えたりして全然笑えないとかもよくあると思います。

逆に話の内容はたいしたことないのに、やたらと「間」がいいことで爆笑が生まれたりもする。

「間」って大事なんです。

じゃあ「間」って何?

ただ時間を止めること?

違いますよね。

会話の相手に「?」っていう時間をあたえることですよね。

相手に質問を投げかけてからの「間」。

自分の心情を吐露した後の「間」

同意を求めた後の「間」。

選択を迫った後の「間」

大事な何かを言いよどんだ後の「間」。

数え上げるときりがないくらい、人間は会話の中に「間」を潜ませている。

「間」=「魔」なんていう人もいるくらい…

「間」を作ってみましたww

「間」を意識した芝居をするには沈黙を喋らなければならない。

「間」にどれだけ「奥行き」を潜ませることができるか。

あ。

でも普段の会話にあまり「間」を意識しすぎるとただの面倒くさい奴になるから気を付けるように。

口下手

心のこもった「うん」

聞き上手な人っていうのは基本口数が少ないよね。

そして口数が少ないのと口下手なのは同じではないよね。

口数が少ないっ人っていうのは意識して言葉数を減らしている。

これはある意味沈黙を喋っている状態。

相手に主導権を渡しているようで、実は自分が会話をコントロールしている。

だから相手はいろいろなことを喋ってしまう、気持ちよくね。

これに対して口下手というのは、自分の会話すらコントロールできていない状態。

当たり前だけどこの違いは大きい。

雲泥の差、天と地ほど違う。

聞き上手な人の前では喋らなくてもいいことまで喋ってしまった経験、結構あるんじゃないかな?

特にお酒の席なんかでは。

この会話をコントロールするというのは、当然芝居にも生かされます。

とういか、シナリオを書く段階で会話はコントロールされているんだけど、それをわからせないようにするためにも「聞き上手」という役柄が大切になっているんだ。

例えばサスペンスなんかの探偵と犯人の会話。

探偵が一言二言話して犯人を追い詰める。

すると犯人が動揺しながら聞かれてもいないことをべらべら喋り出す。

探偵はそのすきを突くようにさらに問いかける。

犯人はついに核心を話し出す。

みたいな。

聞き上手とはちょっと違うかもしれないけど、会話に役割を持たせて事件の背景や流れ、時間軸やトリックを犯人に語らせて視聴者に説明するという何十年も前から使われている手法。

カウンセラーと相談者の会話の中で事件を語らせるなんて手法もあるよね。

恋愛ものでは「口下手」な彼が「お喋り」な彼女に翻弄される設定もよく見られる。

恋愛ものでは会話をコントロールしている感じがちょっと違和感を感じるので「口下手」なキャラが本音を語らされるという傾向にあるのかな?

最近ではどSな「聞き上手」な彼が「口下手」な彼女を翻弄する設定もよくあるかww

いじれにせよ。

恋愛ものでは物語の最後に心のこもった「うん」が欲しいよね。

好きな人が自分だけに向けて「うん」と答える。

そんなシチュエーション、いろいろ想像できると思うけど。

そこには必ず「聞き上手」か「口下手」のキャラクターが絶妙な「間」を演じている。

沈黙と言う名の饒舌

「行間」というテーマは奥が深くて、全然核心は話せていないんだけど。

少なくとも台本の中にある行間はしっかりと読み込まないといけない。

それこそ「台詞」と「台詞」の間の行にどんな思いや時間、空気が流れているのか。

そこをしっかりと読み込む。

実写のお芝居の台本には行間の芝居について細かく指定されていることもあるけど、アニメなどの台本ではあまり見られないかな。

まあ、映像がその行間の芝居を補足しているので当たり前ってば当たり前なんだけど。

それでも行間でキャラクターの心情が一転している場合なんかは芝居も一転していなくてはいけないので、そこの見極めってだけでも行間はめちゃくちゃ大事。

台詞に「…」と言った形で沈黙を指定させている場合は要注意だね。

ただ黙っているわけではない、なにかしらの意味のある沈黙。

シナリオであえて「…」を指定してまで沈黙を表現している意図。

「…」は饒舌にそのキャラクターの心情を語っています。

声を発してお芝居をすることだけが声優さんの仕事ではありません。

沈黙を饒舌に話すことで表現できる芝居もあります。

それをどう表現するのかは各人によって差があります。

でも、基本的なことは変わりません。

行間を意識して芝居を組み立てる。

行間を意識してシナリオを読み込む。

行間には情報がいっぱい詰まっています。

まとめ

読解について僕の考えを書きました。

考え方や捉え方は人それぞれだし、もっと深い話でもあると思います。

でも、読解ということを意識してそして少しでも声優としてのスキルアップに繋がってくれたらうれしいです。

それではまたお会いしましょう!

ゆうでした。

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