最近よく聞く宅録声優・ナレーターって何??どうすればなれるの??

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最近巷でよく耳にする、宅録声優&ナレーターなる職業。

読んで字のごとく、自宅で録音する声優・ナレーターのこと。

簡単に言えば収録場所がいわゆるプロユースのスタジオではなく、それぞれの自宅で収録をしてもらう声優・ナレーターのことだよね。

じゃあ、仕事の場所が変わっただけで他の声優・ナレーターとかわらないじゃん。と思ったあなた。

ちょっと待て。

自宅で収録をするということは、スタジオで他の人間が担っていた役割もこなさなければならいということ。

これは他の声優・ナレーターとは違う。

何が違うか?

それをこれから見ていこう!!

そもそも自宅で出来るものなの??

まずは機材が必要です

まず根本的に音声を収録するということは、それ相応の機材が必要です。

どんな機材が必要なのか。

基本的なモノから紹介していこう。

まず、マイク。それも「コンデンサマイク」と呼ばれる繊細な音まで拾うことの出来るマイクが必要。

必要というか好ましいということなんだけども。

コンデンサーマイクに対してダイナミクスマイクというものがあるんだけど、こっちは耐久力に優れてる分音質面では若干劣る。

音声の場合、細かなニュアンスもマイクで拾いそれを表現することを望まれる場合が多いので、マイクに関してはコンデンサを採用したいところ。

コンデンサーマイクの厄介なところとして、電源を供給しないと機能しないということがあげられるんだけど、最近ではUSB端子で供給可能なモデルもあって、パソコンに接続するだけで使えるモノもある。

これはとても便利だと思う。

ということで、必要最低限の機材は

マイクとパソコン

ということが言えちゃいましたww

ありえない。。。

こんな簡単でいいのか?

いいんですって、今どきはww

ただね、「ちゃんとした」音を録音しようと思ったらもう少し気を配らないとならない。

コンデンサーマイクはとてもシビアなので手で握っているだけでもノイズを拾う。

なのでマイクスタンドとマイクをスタンドとつなぐ「ショックマウント」もとても重要なツール。

そして、ここからは音声収録の素人さんが気づかない重要なところ。

コンデンサーマイクは詳細な音を拾うと言いましたが、それは「環境音」についても同じことが言えます。

つまり、家の中や外で発生する音。

普段生活してると気にならない、エアコンの音、冷蔵庫のモーター音、パソコンの駆動音、外の人の話し声、車の音、ヘリコプターの音、鳥の鳴き声、他諸々。。。

挙げたらキリがないくらいあるのです、生活ノイズが。

これらのノイズをマイクが拾うのを極力避けなければならない。

そういった手段を講じなければなないのも宅録ならでは。

そのためのいろいろなグッズもネット等で紹介されてるので、気になる人は調べてみてもいいんじゃないかな。

とにかく必要最低限の機材ということではマイクとパソコン、それからマイクスタンドはあったほうがいいね(ショックマウントはマイクについてくる場合がほとんど)。

マイクの購入金額はピンキリだけど、恐ろしいことに5千円くらいから購入できます。

音質もそこそこです。

ほんと、いい時代www

誰でも簡単に出来るの?

上記の条件をクリアできるなら誰でもできます。

ただ、簡単ではないです。

ただ収録して自分だけが楽しんで、であれば簡単なのですが。

誰かに頼まれるだとか仕事で引き受けるとなると、それなりのスキルが必要です。

まず、音声データをやり取りする手段が必要です。

郵送などでも可能ですがやはりネットでやり取りしたいところ。

通信手段がスマホだけ、みたいな環境だと不可能ではないけどちょっと煩わしいかもしれません。

音声を収録しただけのデータを送るのであればスマホだけでも大丈夫なのですが、ノイズの除去や不必要な部分を編集でカットするなどの作業が加わると、スマホだけで行うことはかなり大変です。

この辺に関しては収録の案件がどこまでを必要条件としているかで大きく違ってくるので、注意が必要ですね。

そして、パソコンで行うノイズの除去や編集作業のためのソフトも必要になります。

このソフトについてはネット上で無料で拾えるものからいろいろな機能を持った専用ソフトまでピンキリ。

こちらも案件に見合ったモノを用意することになるでしょう。

ま、よっぽどでない限りは無料ソフトで足りるとは思うけど。

ノイズの除去や編集作業についてはちょっとした慣れが必要になるけれど、そこは自分次第かな。

とにかく、これらの環境をそろえることが出来れば、自宅で収録して音声データ化させるということまでは出来てしまいます。

実際には収録自体の作業よりも、音声データ化してそれを送っての作業の方が大変かもしれないね。

その辺の具体的なテクニックの話は専門的になるのでまた別の機会に。

どうすればなれるの?

ということで。

機材の準備と環境を整えることが出来れば、誰にでも出来ることになります。

ただ、仕事にするとなると当然発注者(仕事をくれる人)がいなければ成立しないよね。

昨今、ネットとかの求人を見ていても「宅録声優募集!」みたいな告知は結構あって。

なので、おそらく探す気になれば仕事をくれる人は見つかると思います。

それが思った形になるかどうかは別問題ですが。

気をつけなければいけないのは、宅録といってもその求められる要素は様々であるということ。

コミック動画の声優を求めていることもあれば、自社動画のナレーションを求められることもある。

もっとシビアな内容かもしれないし、気が抜けるくらい簡単なこともある。

でも、これらはすべて求められている「音声」であり、その要求に100%応えて音声という「商品」を納品するまでが「宅録」の仕事。

これを守れなければ一瞬で仕事は吹き飛ぶ。

そして、納品した音声に不備があったり求められたものとは誤差があったりすると修正に応じなければならない。

このあたりを事細かに契約事項として事前に取り決められている場合はその内容に沿って進めれば問題ないけど、宅録の案件などの場合、そこらへんがアバウトなことも多い。

それが原因でトラブルになったり料金の未払いが発生したりと、比較的問題になることも多い。

それも宅録。

こういったことに対応できる技量(スキル)とメンタルも宅録を仕事にする上では必要になるかもしれないね。

ま。

フリーで仕事している人はこういった出来事をみんなクリアしてるけども。

事務所に所属する利点の一つがこういったことへの対処をしてくれるということなんだけどね。

宅録を仕事にしている声優やナレーターはフリーの人が多いけど、フリーで仕事をする場合こういったトラブルへの対処が一番の悩みどころであるということも知っておいた方がいいかもね。

とにかく時代が生んだニーズ

ちょっと前なら考えられない

はい、またおっさん発言しま~す!

マジでちょっと前なら成立しませんでした、宅録なんて仕事のスタイル。

まず、専用の機材が高くてとても個人で購入できるレベルじゃなかった。

というより、そんな需要がほとんどなく機材にお金をかけてもそれを回収できる見込みが立たなかったから誰もやらなかった、が正解かな。

だから音楽スタジオやナレーションスタジオが制作会社も兼ねることで商売が成り立っていたんだよね、昔は。

ところが最近になって宅録でも構わないという需要が増えてきた。

これにはいくつか理由があると思うんだけど。

まず第一に需要者が安価に制作したい!という切実なものがあるのでしょう。

昔からそうだろって話なんだけど、昔は「商品」である音声データ(音素材)のクオリティがそれを許さなかったんだ。

さっきも書いたけど個人で自宅レベルでハイクオリティの「音素材」を作れる人はごく一部の「プロ」の人たち(お金持ち)だけだった。

そこに発注したら結局は安価で制作することは不可能。

だから音源を作ることの出来る制作会社に依頼するしかなかった。

ところが今は機材や編集ソフトが安価になったこともあって、個人レベルで「そこそこの」クオリティを制作できる人たちが増えてきた。

そして、「そこそこの」クオリティで問題ないと考える需要者も増えてきた。

という時代背景が大きな理由。

次に理由として、個人レベルで取引をした方が様々な制約から逃れられるという利点。

じつはこれが結構大きいんじゃないかなと思ってて。

時代の流れとともに、声の仕事の権利を守る動きも顕著になってきました。

これはもろ刃の剣で、権利を口うるさく言うと仕事が遠ざかっていくという現象が生まれることがあります。

この辺も趣旨から外れるのでまたの機会に詳しく触れますが、一つ言えることは権利をあまり持たない新人には関係のない話ということ。

つまり、いい意味で「名前がない=権利を持たない」人たちは自由に仕事ができるという利点を持っています。

それでも、事務所に所属している新人は事務所を通さないで仕事を受けることは原則禁じられているので注意しなければいけないけど。

フリーで活動している声優・ナレーターは宅録という仕事の受け方がひとつの営業手法になっていることは間違いないよね。

そして、それがどんどん可能になっていっている時代にキミたちは生きてるんだね。

需要がどんどん大きくなりつつある

まあ最近では事務所から宅録の仕事を振られる例もあるみたいで、フリーと所属との違いはそんなに差はないのかもしれないけどね。

それでもフリーで活動する声優・ナレーターにとって宅録の仕事を上手にこなすことは、仕事の量を確保するうえでとても意味のあることだよね。

そういった声優・ナレーター側の事情も、需要がどんどん増えていることに繋がるのかもしれないね。

需要ばっかりふくらんでも供給する側がそれに応えられないのであれば、バランスが取れず「宅録」のスタイルは崩れることになるからね。

供給する側、つまり声優・ナレーターが需要者が求めるクオリティに応えられる環境ができたことが、益々の需要を生んでいるといえる。

これは声優・ナレーターを職業としている人たちの人口が増えたことも言えるんだけど、「宅録」というジャンルが新たに「副業的」な働き方を選ばせているからとも言えるんだ。

本業以外に「声優・ナレーター」で稼ぐことを可能にした「宅録」。

埋もれていた才能が世に出る可能性だってあるよね。

それは相乗効果で大きくマーケットが育っていく可能性をも秘めている。

大げさかもしれないけど、今まではクライアントと事務所という画一的な関係でしか成立していなかった業界に新しい風が吹くかもしれない。

そんな風に考えると、「宅録」というひとつの流れから声優・ナレーター業界にとっておおきな流れの変化が発生する可能性が見えてくる。

需要もそうだけど、供給の側の飛躍的な成長は産業そのものにすら変化を与えるかもしれない。

ま。

あくまでも可能性の話だけどねww

ただ、冗談ではなく、「そんなことありえない」があり得るのが今の時代。

みんなにとってそれが望ましい未来なのかそうではないのか。

それはボクにはわからないけど、時代は容赦なく残酷にそして輝かしく変化していきます。

それを楽しみだと思える方が、明るい未来へと繋がるのかもしれないね。

大きな可能性

ここで思いつく限り「宅録」が広まっていった場合の色々な可能性について考えてみよう。

まず、交渉面での簡潔さ。

これは従来、音声の仕事を発注するとなると収録スケジュールの調整、ギャラの調整、納期の調整、そして権利やオプションなどの調整といった具合に、さまざまな調整を事前に行っていた。

もちろん宅録でもこれらの調整は必要になるけども、少なくとも収録スケジュールに関しては調整が早い。

何しろ収録する側と収録される側が同一だからね。

そしてギャラに関しても直接収録者に交渉できる。

というか、発注から納品までのプロセスをパッケージとして価格の交渉が出来る。

これはとても話が早い。

実はこういった段取りはすごく重要で、ここが外部発注の肝だったりもするから、そこを明確に的確に簡略化できるというのは発注者にとってはとてもありがたいこと。

そしてなおかつ、音声のクオリティが高く納期に間違いがない!

こうなったら「宅録」の1択といえるほど需要は高まるだろう。

次に供給者の多様さ。

これは数もそうなんだけど、いろいろなスタイルで仕事をしている声優・ナレーターがいるので、発注者側も選び方に幅が出るのかな?くらいのモノなんだけど。

あと単純に数が多いってことは選ぶ側からしたらありがたいよね。

宅録の案件は小さなものが多いから少額になりがちだし、納品までのレスポンスも早いに越したことはない。

そういった需要に応えることの出来る「宅録」。

供給側、需要側ともさらに磨きをかけていけば大きな可能性を秘めていると思う。

ただ。

落とし穴もあるんだよね。。。

弊害も知っておこう

他者の評価が入らない危うさ

需要者、つまり音声を必要としている人たちが求めているものは常に完全な形の「モノ」です。

宅録であろうが予算に数億円をかけた案件であろうが、納品されるモノは完全でなくてはならないし、それが当たりまえです。

ところが供給者、つまり制作する側は案件の大小によって区別をしてしまいがちです。

これ絶対ダメなんだけど、心情としては理解できます。

だって、1案件千円のモノと10万円のモノで作業内容が一緒だったら、それは、ねえ?

でも、納品するモノは作業内容が同じなら同じでなければいけないのです。

それが絶対的に守られなければならないルール。

そういうチェックが甘くなるのですよ、個人でやってると。

だから制作会社とか事務所とか、間に入ってクオリティのチェックをする所が必要だったりするんです。

それでも間に入るべきチェックを飛ばして個人で引き受けるのであれば、必要以上にクオリティに対してシビアにならなければいけない。

そうしなければ、ちょっと何か不備があったときに「やっぱり個人はダメだな」って評価を受けやすくなる。

こういった部分も自分に厳しくできるメンタリティが求められる一因。

宅録というスタイルは入り口は広く入りやすい環境だけど、中で暮らすにはそれなりの覚悟がいるのかもしれないね。

安売り・浪費・疲弊という負のサイクル

安売り・浪費・疲弊という負のサイクルは何も宅録に限った話ではないんだけど。

フリーランスが陥る一番の弊害はこの問題だと思います。

仕事がほしい!だから他より安く引き受ける→作業は同じなのに安いから儲からない→だからいっぱい仕事を引き受ける→時間と労力を浪費する→なのに儲からない→もっと仕事する→疲弊する…

こうやって業界からいなくなっていく人は数多くいます。

まあでもこうなるよね、仕事が欲しければ。

でも安易に安売りはしてはいけないんです。

安いところには安い案件しか来ません。

そして安い案件はいろいろな意味で「安い」んです。

そりゃ発注側からしたって「安い案件」なんだから労力を掛けたくないわけですよ。

できたら自動販売機みたいにお金を入れたら欲しい商品がゴトッと出てくるみたいな仕事がしたいんですよ。

こうなっちゃうと、クオリティとかなんとかそんな問題じゃなくなる。

仕事の質というものは求める側と与える側の両者のバランスで決まります。

どちらかの質が悪ければ仕事の質そのものは必ず悪くなります。

そんな環境に「宅録」というスタイルは陥り易い性質を持っているように感じます。

くれぐれも宅録のスタイルで仕事をしていく場合は、トータルでの仕事の質に誇りと責任を持ち、安易な気持ちで安請け合いをしないことです。

それがきっと未来の自分たちのためになるはずです。

とにもかくにも自己管理

もう一にも二にも自己管理なんです。

個人で仕事を受ける場合は座右の銘として「自己管理」とおでこに貼っておきましょう!!

製品の仕様や様式に対する打ち合わせ、クライアントの要望の検証、スケジュール管理、品質管理、経理、納品実績、、、

やることはいっぱいあるんです!収録作業以外に。

まして同時に複数の案件を引き受けたりすると、もう、そりゃあ、、、ぐちゃぐちゃになるわけですよ。

作業をきちんと行うことはもちろん、スケジュールについてや納期のタイミングについてなど、色々なことを考えて仕事をしていかなければならない。

それもこれも全部自分で管理しなければならない。

もちろん自分自身の体調や精神状態なども。

簡単ではないよね。

毎朝決まった時間に家を出て、決められた作業をこなして、決まった時間に帰ってくる。

つまらないかもしれないけど、楽です。

だって、無思考で行動できるから。

でもそんな人生はつまらないって考えてる人たちなんじゃないかな、声優・ナレーターって。

だからみんな頑張ってやってます、自己管理www

宅録ができる人=自己管理ができる人

といってもいいんじゃないかな。

まとめ

今回も取り止めが無くなってしまいましたが、宅録について自分なりの考えをまとめてみました。

宅録に限らず、仕事に対する姿勢では同じことが言えると思うから、普段ふつうに責任をもって仕事をしている人たちからしたら、何をアタリマエなことを…と思ったでしょう。

でも、アタリマエなことが当たり前じゃなくなる環境があったりもするので、安易な仕事の受け方に対する警鐘という意味でも改めて考えてみてくれると嬉しいです。

いずれにせよ、宅録のように安易な形で仕事になるケースはこれからも増えていくと考えられます。

その都度、検証しつつ良いものは良いものとして受け入れ、みんながいろいろな形で活躍できる環境が生まれる手助けが少しでも出来れば本望です!

では今回はここまで。

ゆうでした。

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