作品に出演するといくら稼げる?
声優は作品に出演することでギャラをもらう。
それが声優の稼ぎということになる。
じゃあ実際ギャラというのはいくらもらえるのか?
何がどう違うのか?
そこらへんを話していきます。
最初はモブキャラ
そもそも「モブキャラ」って何?って話だよね。
モブキャラというのはその作品に出演しているキャラクターで「名もなき存在たち」のことをいうんだ。
まあ市民Aとか隣りのおばさんとかでもいいんだけど、そういうキャラクターをまとめて「モブキャラ」と呼んでる。
で、このモブキャラに配役される声優は新人の場合がほとんど。
たまにモブキャラでも難しい役どころなんかもあって、そんなときは主役クラスの実力のある声優が兼役をやったりもする。
でもだいたいは一言の台詞だったりとか、台本にも書かれない「ワ~」とか「きゃ~」っだったりもするんだ。
それでも声優業界は新人の発掘・育成・ディレクターへの売り込みなんかの理由で、わざわざモブキャラに声優を配役することが多い。
で、ギャラの話なんだけど。
今説明したみたいな理由で、昔はモブキャラはほんのお小遣いていどのギャラで、場合によっては「メシおごるから!」とかですまされてた。
そんな状況はよろしくない!と役者さんの偉い人たちが関係業界と取り決めを結んだ。
それで生まれた「やり方」がランクという仕組み。
デビューしたばっかりの新人声優たちは、ランキが上がるまではどんな役でも一律で一定の最低金額のギャラが支払われる。
そういう取り決めになっている。
現在はその限りではないとの話も聞こえてくるけど、だいたいはこの取り決めが守られてるんだ。
だから新人の間は、まずはディレクターに顔を覚えてもらい収録に毎回呼んでもらい「モブキャラ」として最低金額のギャラを受け取る!
というのが、稼ぎ方の基本になるね。
役がもらえた場合
役がもらえる!!
新人声優にとっては何よりの喜びの瞬間だね!!
だがしかし。
さっき話したランクが上がらないうちは、役をもらおうがもらうまいがギャラは一律です。
まあね。事務所の事情だとか、声優の売り方とかで多少変わってくるかもしれないけど、基本的にはこのランクが守られてるね。
じゃあいつになったらランクが上がるのかっていうと、3~5年声優を続けているとだいたいはランクが上がる。
ただこれ、喜んでばっかりはいられないんだ。
なぜかっていうと、ランクが上がらないうちはギャラも安いのでディレクターも気軽に新人声優を配役できるんだよね。
それこそモブキャラだけでアニメ1シーズンずっと呼ばれたりもする。
ところがランクが上がりギャラの最低金額も上がるとディレクターも簡単には呼べなくなるんだよね。
当然音響の制作にも予算があるからね。
だからランクが上がると声優同士の競争率が跳ね上がるんだ。
何しろ、ランクが上がってからが本当の意味で声優と言えるからね。
それでもランクが上がるとギャラも言い値で交渉できるし、実力と人気によってはかなりの稼ぎが期待できるよね。
メディアによってギャラの基準が違う
作品とひとくくりに言っても、ジャンルはいろいろあるよね。
アニメ、テレビの洋画の吹き替え、映画の吹き替え、ゲーム、その他いろいろ。
実はこれら各メディアによっても最低ランクのギャラの基準金額が違ってくることがある。
特にテレビの洋画の吹き替えは安くて、1日アルバイトするよりは少し多いかなってくらいのギャラなんだ。
これは出演する声優が多いのと、テレビの洋画の吹き替えは予算が低いというような事情があるんだ。
じゃあアニメはっていうと、最低金額は洋画の吹き替えと一緒だけど役がある人はちょっとお高いという印象かな。
これも作品によっていろいろあるから、一概に言えないけどね。
それにくらべて映画の吹き替えは予算が多く取られている場合が多くて、テレビの吹き替えよりは高くなる。
主演クラスの吹き替えだとかなりな額になることもあるみたいだよ。
そしてゲームの場合ギャラに対する取り決めは特にないから、単純に「どれだけしゃべるか」で変わってくる。
あいさつ程度の台詞の数だとちょっとアルバイトくらいの金額だけど、主役級で1万とか2万台詞くらいあると、サラリーマンの1か月分くらいのギャラになる。
あ、これ新人の場合の話。
キャリアのある声優だと主役級はもっと稼げる。サラリーマンのボーナスくらいw
だから声優はゲームの仕事が入ることについてはとてもポジティブな反応を示すよ。
後展開も期待できるしね(アニメ化とかイベントとか)。
イベントに出演した場合
出演作品のイベント
アニメやゲーム、最近では吹き替えした映画の宣伝のイベントに声優が出演することがある。
これホントに増えたよね。
昔は顔出しでイベントに出演する声優さんと言えば限られた人しかいなかったけど、いまでは若手からベテランまで幅広く出演しているよね。
さらにアイドル声優というカテゴリーまで出来て、しかも男女問わず。
このことはこれから声優で活躍することを目指すキミたちにとって、とても大きなチャンスだね。
そしてイベント出演のギャラなんだけど、いろいろとややこしい事情もあって単純に出演すれば稼げるって訳じゃあないんだけど、
まあそれについては改めて触れるとして、ここではイベントのギャラ事情について。
イベントといっても大小様々で小規模のイベントだとショップでの販促イベントやライブハウスなどの出演、大規模だと映画館やホールといったところだけど、基本的にギャラというのは規模の大小よりその「催し物」の規模の大小で決まるといった感じかな。
どういうことかというと、催し物が単なる物販目的のイベントなのか、いろいろなメディアを巻き込んだ大掛かりな販促イベントなのか。
つまり、何を売るのか(何に出演したか)で変わってくるということだね。
アニメの場合を例にすると、単に放送についての番宣イベント、DVD化や書籍化などでの販促イベント、有料サービスでの番宣などなど。
何を宣伝するかでイベントの規模も変わってくるので、出演するギャラにも差が出てくる。
金額についても幅が広いけど、ちょっと割のいいバイト1日分からサラリーマンの月給分くらいになると考えておいてかまわないかな。
もちろん大規模なイベントやキャリアが凄い声優なんかのギャラは、もっと凄いことになってくるけどね。
その他のイベント
最近の声優のタレント化ということも絡んで、作品の販売関連イベントではなく、普通に商品の販売イベントやトークショー、大きなショップの開店イベントなんかに声優が呼ばれることもあるよね。
とくにフリートークが面白い声優なんかは呼ばれることが多いみたいだね。
このへんのギャラ事情は芸能系のタレントがイベントに出演する場合とほぼ同じだと考えて間違いないかな。
金額的にはやっぱりちょっと割のいいバイトからサラリーマンの月給くらい。
イベントに単独で呼ばれる場合は、声優業界とは関係ないところから声がかかることもあるので、多少事情は変わってくることもあるけど、その辺は事務所さんしだいということになるのかな。
イベントというのは都内でなければ移動にも時間がかかるし、朝も早いし、1日拘束されるし、スタッフもいっぱいいるし気を使うし。
じつは結構大変です。
声優は普段はどちらかといえば閉鎖的な環境で仕事をする機会が多いから、イベントみたいな環境だと精神的にだいぶ疲れるんだよね。
それを考えるとギャラ的においしいのかどうかは、個人差があるのかもしれないね。
歌手の場合
出演作品のキャラソンの場合
声優が出演作品のキャラソンを歌った場合、普通は別で歌唱報酬としてギャラが支払われる。
これはキャリアにもよるんだけど、作品内で使用されるだけならそんなに高額にはならないかな。
どういう意味かというと、たとえばその作品のサウンドトラックとしてCD販売がさせるみたいな感じで、別物として販売される場合はギャラの金額が上がります。
音楽CDや書籍などの著作出版物には著作者に出版物で得られる利益から印税を貰える権利を持っている。
ただ、普通は個人で出版物からどのくらい利益が得られるかを管理できるわけではないので、出版社と著作権の管理契約を結ぶ。
これがよく言う「売り上げの何%が作家の印税になる」って仕組みなんだ。
これは演奏者(歌手を含む)にも当てはまることで、作家と同じように著作権の管理契約を結ぶこともある。
ただ、通常は権利の「買取り」といって、最初に著作権収入分も含めてギャラとして支払われる。
というのが業界の慣習になってるんだ。
なのでこれをキャラソンの場合に当てはめると、CD化(ダウンロード販売)がされる場合は権利の買取分ギャラが高額になるって話。
どのくらい?っていうと、ずばり!
言い値。
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オリジナル楽曲の場合
この場合は声優が「歌手」というアーティスト扱いされたときの話。
キャラソンのところでも書いたけど、アーティストの場合は著作権の管理が厳しくなっている。
特にレコード会社と契約を結んでいるアーティストは手厚く保護されている。
なのでこの場合、声優がレコード会社と契約を結んで楽曲を販売することについて触れていくね。
オリジナル楽曲とキャラソンの場合の一番の違いは、仕事の依頼者がいるかいないか、ということなんだ。
キャラソンの場合は、作品の演出上もしくは販促として楽曲が制作される場合が多い。
つまり、作品の制作者がキャラクターの声優に歌を歌ってください、と依頼するんだね。
一方でオリジナル楽曲の場合アーティストそのものが商品というか作品になるので、曲を歌ってくださいという依頼者はいないんだ。
レコード会社がそうなんじゃないかって話だけど、レコード会社は依頼者ではなく商品を販売するところ。
だからアーティストが自分の楽曲を売り込んで販売されるケースもよくある。
つまり、オリジナル楽曲の場合ギャラという形で歌の報酬が発生することはほとんどない、ということを覚えておいて。
じゃあ、オリジナル楽曲は稼げないの?というとそんなことはない。
アーティストが楽曲をレコード会社から発売する場合、たいていは最初に原盤制作契約を結ぶ。
これが歌手の「稼ぎ」になる。
それから、印税の契約を結ぶこともある。
だから、声優としてビックキャリアだと契約の金額が大きくなるということ。
楽曲の売り上げが見込めるからね。
という、からくりでした。
グラビア・タレント活動の場合
基本的には芸能活動と同じ
芸能活動という意味でギャラのステージは声優のそれとは事情が変わってくる。
とくにグラビアなんかはオリジナル楽曲の販売と一緒で、ギャラというよりは契約を結ぶ場合がほとんどだね。
これも歌と一緒でどのくらい売り上げが見込めるのか、話題性はあるのか、なんかで契約金額は大きく変わってくるんだ。
具体的な金額については、うん十万からうん千万くらいまでと幅広い。
声優の人気とグラビアの内容で大きく差が出てくる。
声優のタレント活動については、昔ほどギャラが安くはなくなっているという話はよく聞くよね。
とはいっても声優業界では超人気者でもテレビの世界では新人タレントと同じくらいの扱いかな。
ギャラも同じくらいの感覚。
もともとテレビ業界のギャラの基準は声優業界の常識から考えるとかなり大きいから、テレビに出演となると稼ぎとしては大きいよね。
まとめ
声優の出演作品やメディアの違いでギャラにどのくらいの変化があるのかを書いてきたけど、ホントいろいろあって簡単にはまとまらないね。
改めてひとつひとつ細かく取り上げていこうと思うので、そのときは是非読んでみてください。
では今回はここまで!
ゆうでした!
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